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Labyrinth 9

《回想》

 NYから戻ったあたしは、そっとこれからの準備を始めた。
今までどおりの生活をして、いつもの日常を送っていた。
西門さんとも、美作さんとも、そして・・・・・
花沢類と過ごす時間は・・・・あと、少し・・・・

季節は12月になり、非常階段に初雪がうっすらと積もっていた。
道明寺と別れたことは、いまだにみんなには知られていなかった。
桜子をのぞいては・・・

「あーやっぱ寒い!寒すぎ!」

手すりから少し身を乗り出し手を伸ばした。はらはら舞い落ちる雪を手のひらで受け取ると、すぐに消えてしまった。

「あたしも・・・」

雪のように消えれるかな・・・

「ま~きの。あんた落ちるよ。」

ふわりと後ろからいつもの安心する香りに包まれた。

「いつからいたの?全身冷えてるよ。」

花沢類はコートの中にすっぽりとあたしを包みこんでしまった。
後ろから抱きしめられてる状態なんですけどぉ!!
心臓が壊れそう!ドキドキ死する!

「ククッ・・ドキドキ死ってなに、あんたおもしろすぎ」

笑いながら花沢類は、抱きしめている腕にギュッっと力を込めた。

「げ、またあたし口にだしてた?って、もう、花沢類!!」

「ん・・こうしてるとあったかいね。人間カイロ?もう少しだけ」

ドキドキし過ぎてるけど、花沢類の温もりに心もあたたかくなっていた。

「まきの、誕生日プレゼント考えた?」

耳元から聞こえる花沢類の声が、より一層あたしをドキドキさせてる。
そして・・・

「う、う・・ん」

「なに?」

「当日・・・言うから。」

「ん?準備しなくていいの?」

後ろから抱きしめられたまま、顔をのぞかれた。

「ちちちちちち、近いっ!顔近っ!」

「いまさら」

チュッっと頬に口づけされ、あたしは体温急上昇!!

「ゆでだこ・・・ククっ・・・」

「もうっ!行くよ!花沢類!」

「あい。」

花沢類から離れると、階段を降り始めた。
あのまま、腕の中にいたかったけれど・・・


「・・・あ、今年も美作さんの邸でパーティーしてくれるって。なんかいつも悪いなぁ・・・でも、ママさんのケーキとお料理いっぱい食べなきゃね!」

「あんまり食べ過ぎないでね。紫津や江戸川も張り切ってるし・・・」

「うん!楽しみ~!!」

花沢家の使用人頭の紫津さんとシェフの江戸川さんが、あたしの誕生日をお祝いしたいって言ってくれて、あたしは美作さん家のパーティーの後に花沢邸へおじゃまする事になっていた。

今年がみんなに祝ってもらう最後のバースデーになる・・・・・
花沢類と過ごす・・・最後の日に・・・・



[12月28日]


お昼に花沢類がアパートまで迎えに来てくれた。

「お誕生日おめでとう。牧野、それやっぱり似合ってる。かわいいよ。」

「ありがと!なんか、いいのかな?照れちゃうよ。」

花沢類がパーティーの時に着てって、淡いピンクのシフォンドレス。ひざが出るくらいの丈に、ウエストが少しタイトになって甘すぎない大人っぽいデザイン。
クリスチャンルブタンのベージュのパンプスとシンプルなクラッチバックもプレゼントしてくれた。
これって・・・高いのよねきっと・・・

「牧野もおとなの女性だからね」

運転する花沢類の横顔を見ていると、うっすら耳が赤く染まった。

「牧野、そんなに見られると穴があいちゃう」

「ご、ごめん!!」

つい、きれいな横顔を見入ってしまった。・・・だって・・・もう・・・

 美作邸にはすでにみんな集まって、西門さんにいたってはもう飲み始めていた。

「おっ!牧野、綺麗だな。類からか?」

さすが気遣いの美作さん!

「うん♪ちょっと大人っぽくて照れちゃうんだけど・・・」

隣にいる花沢類をチラっと見上げると、にっこり微笑んでいる。

「とてもお似合いですわ先輩。」

「桜子も、今日もかわいいね」

オレンジベージュのレースワンピ。桜子の可愛さを一段と引き立てている。

「知っております、わたくしの可愛さは。」

相変わらずの桜子に苦笑い。

「まずは乾杯しようぜ!」

西門さんの一言に、それぞれシャンパングラスを手にした。

「では、牧野・・・」

「「「20歳誕生日おめでとう!!」」」

「みんなありがとうっ!」

美作ママさんが焼いてくれたバースデーケーキのろうそくを吹き消す。
こうしてみんなでいられる時間がホント嬉しい。

「優紀ちゃんや滋もそろえばよかったんだけどな」

「西門さんしかたないよ!優紀はおばーちゃんち行ってるし、滋さんはイギリスでしょ?」

大河原財閥が手掛けた新事業の関係で、滋さんはイギリスへご両親と滞在している。

「滋も家の仕事を手伝うとはな~。今日はかなり来たがってたけど!滋からバースデープレゼント送ってきてるから!これ・・」

そう言って奥のソファーから大きな箱を持ってきてくれた。

「こっちはあきらと俺から」

「わたくしからはこれを」

「ありがとう!」

「あけてみたら?」

花沢類の一言にうなずくと、滋さんの箱から開けた。
滋さんからは、オフホワイトのミディアム丈のムートンコートにカシミアの淡いピンクの手袋とストール。
桜子からはブランド物のコスメセットとこれはカード?。

「世界各国でご利用になれる同じブランドのエステカードです。こちらもちゃんとご利用くださいね!わたくしも持っているので一緒に行きましょう」

「あ、ありがとう」

ワールドワイドだな・・

「これ・・・」

西門さんと美作さんのプレゼントを開けると・・

「牧野に似合いそうだね・・でも総二郎達がなんでプレゼントするのさ」

「こここここんなのもらえないよっ!!」

「お前のイメージ反物から作らせたんだぜ。お前がもらわなきゃそれこそもったいない!西門次期家元の俺が選
んだんだ。ありがたくもらっとけ」

「そうだぞ牧野」

西門さんからは・・・最高級京友禅の古典柄の振袖、美作さんから合わせて帯と小物一式だった。
あぜんとしているあたしに、となりで花沢類は不機嫌になっていた。

「花沢類?」

「牧野が総二郎達の選んだの身に着けて成人のお祝いするなんて、なんかいやだ。」

プイッっとよこを向いてしまった。

「類、おまえなー!着物は俺のテリトリーだろーが!何すねてんだよ!」

「だって」

なぜかすねてる・・どうしてだろ?
でも、かわいいからいっか!

「司からは?あいつのことだからまたドエライもん送りつけてきたんじゃないのか?牧野の誕生日にも帰ってこれないってどんだけ忙しいんだよ。」

西門さんは丁寧に振袖や小物をしまいながら聞いてきた。

「道明寺から、カバン送ってきた・・・プレゼントなんていいのに・・」

NYの一件以来、連絡もとってなかったけれど・・・昨日プレゼントとカードが送られてきた。

【happy birthday!ハタチの誕生日は特別なんだろ!俺が自分でかせいだ金で買ったからな!毎日使えるやつにした!ちゃんと使え!牧野の名前いれてあるから、返すなよ!  司
PS.牧野は今までもこれからも大切なダチだ】

道明寺から送られてきたのはあたしでも知っているHのロゴのバック!バー○ンってやつだった。内側にはあた
しのイニシャルが入っていた。
ハタチでこのカバン毎日使うって・・・それに別れた彼氏からのプレゼントって・・・でも、道明寺の思いは嬉しかった・・・

「花沢さんからは今日のお召し物ですわね?」

「これはバースデープレゼントじゃないよ。今日、牧野に着てほしかっただけ。あとでだよね?」

「うん/////」

「あ~つくしちゃん何顔赤くしての?もしかして類からの大人のキスがほし・・」

思いっきり西門さんのわき腹に拳をいれた。

「エロ門っ!!」

「お・・まえ・手加減しろよ・・」

「俺はいつでもいいけど・・・」

類はにっこりあたしに笑って頬にキスをした。

「はははははは、花沢類!!」

「牧野ゆでだこ・・・クスクス」

花沢類は声をあげて笑い、真っ赤になったあたしをみんなにからかわれた。
それから、高等部の話をしたり写真を撮ったり、あっという間に夕日が沈みはじめていた。










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はじめまして(*^^*)shalimar (シャリマー)です。

ド素人の類つく2次ワールド♪
お引っ越しして、2ndのお部屋となります。
創作文はつたない文章でこざいます、妄想パーティーの世界です♪
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